© ZKM Karlsruhe デジタル成熟 「成熟Mündigkeit」というドイツ語は、すぐにイマヌエル・カントを連想させる。カントは、成熟するためには、一人ひとりが自身の理性を公的に使用しなければならないと説いた。この格言はどのようにして現代のデジタル空間に移され、実行されうるのだろうか?カントによれば、自分で物事を考え、責任をもって行動するのは容易なことではない。では今日、それにはどのような知識やツールが必要なのだろうか?7月15日から、本シリーズではドイツと日本における状況を概観し、デジタル空間における成熟について提案を行う。 Photo: Anne-Sophie Stolz © ZKM Karlsruhe ペーター・ヴァイベルによる寄稿 民主主義には思考が必要だ – デジタル世界で改めて思考を学ぶには 将来においては、文化的能力を持ちデジタル面で自立した市民が必要だ。民主主義には思考が不可欠だからである。ペーター・ヴァイベル(カールスルーエ・アート・アンド・メディアセンターZKM館長)は、教育政策に関わる社会的・民主主義的な運動を新たに立ち上げ、美術館を無料の市民教育の場にすることを求める。 Foto (Ausschnitt): © Adobe 人工知能 答えを与えるもの 『脳をコンピュータとみなすことは、脳、人間の知性、あるいは個人的な自己についての実際の知識とは何の関係もない。それは現代的なメタファーなのだ。」人間とマシンの間にある克服しがたい相違についてペーター・グラーザーのエッセイ Foto (Zuschnitt): © Paul Ruben Mundthal インターネット上のヘイト 「たった3人で、まるで100人でやっているような印象を与える」 ユーチューバーのライク・アンダースとそのチームは、ドキュメンタリー「消えろ。ネット上のヘイトはこう作られる」で、インターネット上の「トロール」(荒らし)が、ヘイトコメントを使って意図的に政治的な流れを作り上げていく方法を調べた。