ドイツ大使館でのレセプション
PASCH校 校長先生の会

Schulleitertreffen #1
© Goethe-Institut Tokyo

2023年12月5日、PASCH校それぞれから5名の学校長および副校長、6名のドイツ語講師がドイツ大使館に招かれ、ドイツ語教育の現状と課題について話し合う機会をもちました。この会を通じて、PASCH校であることの意義について改めて考え、また他PASCH校との連携から生まれる価値、またPASCHを学校活動の一環としてどのように活かしていくべきかについて話し合いました。

コメントをお寄せいただきました:

ドイツ連邦大使館 クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日大使
日本のPASCH認定校は、若者がドイツ語やドイツ研究に関心を持つ上で重要な役割を担っており、優秀なドイツ語学習者を輩出しています。PASCH校の校長、そして先生の皆様におかれましては、日本におけるドイツ語教育にご尽力いただき、心から感謝しております。ドイツと日本の絆だけでなく、若者たちが継続的な交流を深めていけるのは、まさに先生方のご指導の賜物です。

獨協中等・高等学校長 上田善彦 氏
ドイツ大使館でのPASCH 校の校長会に参加できたことに感謝申し上げます。大使館のゼーンケ・グロートフーゼン一等書記官はじめ多くの方々とお話をすることができました。本校の明治時代からのドイツとのかかわりや歴史、現状や問題点、大津さんはじめPASCH の皆さんに様々なサポートして頂いている事や今後サポートして頂きたい事、また、他校での現状もお聞きすることができ、大変有意義で貴重な会でした。また、お忙しい中、クレーメンス・フォン・ゲッツエ駐日大使との食事会も企画していただき、大変光栄でした。大使のウイットに富んだ優しいお言葉や日独の若い世代の交流の重要性についてのお話に感激し、日本庭園の素晴らしさにも感動しました。PASCH校としてドイツ政府には大変お世話になっておりますが、今年度は正式にドイツの2校の中高と教育提携書交わし、来年度からは中学生のドイツ語講座を開講予定であり、今後もドイツ語を通して生徒達がドイツと関りを持ち、学校としても積極的に日独交流に貢献できればと考えております。
 
東京都立北園高等学校副校長 牟田浩氏 
今回は、貴重な交流の機会をいただき誠にありがとうございました。本校の第二外国語はドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語を設定していますが、その中でもドイツ語は一番歴史が古く、1947年に開講し、現在まで多くの生徒達が学んでいます。各学年2単位ずつ自由選択で設定しており、3年次には、英語に代えてドイツ語を選択し受験対策ができます。今年度は、1、2、3年生合わせて170名を超える生徒がドイツ語を学んでいます。
本校は、2010年1月からPASCHに加盟し、様々なプロジェクトに関わらせていただいています。今年度は、JUKUで本校生徒1名が7月30日から8月19日までドイツを訪問させていただき、帰国後、現地で経験した「語学を学ぶことの大切さ」や「国際交流の素晴らしさ」等を、全校生徒に向けてスピーチしてくれました。また、11月1日から11月4日まで、RSGの生徒10名が来日し、ホームステイや本校での交流活動を通して、日本文化を学んでくれました。生徒達は、ドイツ語をツールとして、様々な道が開け、人生が豊かなものになることを実感することで、更なるドイツ語の学習意欲に繋がっていくと思います。本校は、PASCHを通じて、本校生徒の国際理解教育を推進し、世界で活躍できるリーダーを育成することで、PASCHに還元していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 
埼玉県立伊奈学園総合高等学校長 浅賀敏行氏
本校は多岐にわたる学系を有する、在籍数2400名の埼玉県唯一の高校です。その中でドイツ語選択生徒は3%にも過ぎないのですが、彼らの活躍は目覚ましく、注目を集めるため、存在感は3%では到底収まりません。例えば授業は伸び伸び、和気あいあいとした中にも向学心の強さがただよい、その積み重ねが日頃の学校生活や行事にも表れ、進路実現を果たし、といった具合です。
これもひとえに、PASCH、PADなどの多彩なプログラムで、ドイツ語とドイツ文化とにじかに触れる機会をいただいているおかげです。これらの体験は毎年、生徒の目を見開き、心に刻まれ、ドイツの友人との絆を固くし、将来を決定づけています。
以上のような魅力的な機会が豊富なため、校長の目から見ても、ドイツ語を選択した生徒は幸せだと感じます。時を戻せるなら我が子もここへなどと私情が混じってしまうほど、彼らは幸運だと感じます。
これからも変わらぬご支援を賜りたく、そしてご期待に応えるべく生徒の限りない成長、慎重を引き出せるよう努めることを誓い、末永いおつきあいをよろしくお願い申し上げます。
 
早稲田大学高等学院学院長 武沢護氏
地下鉄広尾駅を降り、由緒ある有栖川宮公園を左手に見ながらドイツ大使館へ到着。都会の喧騒から離れ、都心とは思えない緑豊かな雰囲気のなかで、大使はじめ大使館関係者の方々と楽しくかつ有意義なひとときを過ごしました。いま世界中では、環境問題、エネルギー問題そして多くの紛争問題を抱えています。次の若い世代がこれらの問題に向き合うためには教育の役割は非常に重要です。そのために世界中の歴史、文化、言語の理解は必須となります。特に、わが国の中等教育において、この国際性を身につける第一歩が複数の外国語を身につけることだと痛感しました。今回、ドイツ語を第二外国語として設置しているPASCHパートナー校とドイツ大使館との交流でしたが、このような交流がさらに活発になることを願っています。
 
神奈川県立横浜国際高等学校長 小河多香路氏 
2023年12月5日、クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日大使主催の昼食会にご招待いただき、あらためて感謝申し上げます。
昼食会の前に行われたPASCH校の意見交換会では、日本におけるドイツ語普及の意義と課題について、ゼーンケ・クロートフーゼン一等書記官・文化課長をはじめ、関係する皆様と様々な視点から意見交換でき、大変嬉しく思っております。特に、日本におけるドイツ語教育と大学入試の関係、教室で学んだドイツ語を実践の場で生かす機会の大切さなどについて再認識することができました。
昼食会では、ゲッツェ駐日大使をはじめ、多くの方の知見を聞かせていただき、有意義な時間を過ごさせていただきました。私からは、PASCHの様々な取組の中で、2023年の夏、本校生徒1名が3週間のドイツ研修派遣に参加させていただいたことに触れ、派遣を終えた生徒が、「日本における諸課題の解決方法についてドイツから学ぶことが多くあると思います。」と話してくれたことを報告させていただきました。
今後も、引き続き、駐日ドイツ大使館及びPASCH校の皆様と交流・連携を深めさせていただき、ドイツ語を学ぶ次代を担う若者の育成に努めていきたいと考えております
 
ゲーテ・インスティトゥート東京語学部長: オリバー・ファン=ミュラー氏 
この度初めてとなる、ドイツ大使館でのPASCH校長会を開催してくださったことに感謝申し上げます。日本のPASCH校の校長先生や講師の方々がドイツ大使クレメンス・フォン・ゲッツェ氏とお会いする機会を得たことで、PASCHネットワークの重要性と有効性が改めて浮かび上がりました。
この会談は、各校とドイツ大使館との組織的な結びつきを強めるだけでなく、各校の校長や教員の方々が協力関係を深めるものでもありました。ディスカッションや各校の経験談を共有することで、私たちは皆、ドイツ語履修生の未来のために最善のサポートを提供するために協力していることを再確認しました。
今回の交流で示されたドイツ語学習における包括性と関心は、教育と文化交流が両国の関係強化に決定的な貢献を果たすという共通の信念を強調しました。ドイツ大使館の支援とPASCH各校との積極的な協力関係は、ドイツ語を学ぶ若い世代にドイツ語とドイツ文化への興味を抱かせる上で非常に重要です。