西ドイツ、1969年、88 分、16mm
監督: ペーター・フライシュマン
出演: マーティン・シュペア、エルゼ・クヴェッケ、アンゲラ・ヴィンクラー、ミヒャエル・シュトリクスナー、マリア・シュタットラー、グーニャ・ザイザー、ヨハン・ブルナー、ハンナ・シグラ、レナーテ・ザンドナー、エルンスト・ワーグナー、ハンス・エルヴェンシュペーク
20歳の整備士、アブラムは久しぶりにバイエルン州の下部にある故郷の村へ帰ってきた。村の人たちが彼の滞在していた場所について尋ねても、彼は一向に話そうとしなかった。この小さな村の中で、彼が同性愛的な犯罪を犯して刑務所に入っていたという噂が広がるのに、時間はかからなかった。そうでなくてもアブラムと彼の母は昔引っ越してきたときから、村に受け入れられない存在だったのだが、その噂のせいで完全に孤立してしまう。妊娠中のハネローレが彼の唯一の理解者なのだが、彼女が妊娠中の子供がアブラムの子だとあちこちに広めことが、村に更なる波乱を巻き起こすのであった。
戦後ドイツの郷愁映画に真っ向から対立するフライシュマンのニュー・ジャーマン・シネマ初期の古典。フライシュマンの作品の中で農村の牧歌的叙情は、鈍重な村社会に変容し、社会的抑圧の温床として提示される。
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