西ドイツ、1966年、88分
監督: アレクサンダー・クルーゲ
出演: アレクサンドラ・クルーゲ、ギュンター・マック、エファ・マリア・マイネケ、ハンス・コルテ
ユダヤ人の親を持ち、東ドイツから西側へ逃げてきた22歳のアニタは、カーディガンを盗んだ容疑で保護観察の判決を受ける。その後厳しい保護観察司の監視につらい思いをしながらも西ドイツの生活に慣れる努力をし続ける。事務や語学レコード販売店で働き出し、店長と関係を持つようになったにも関わらず職場でお金を横領してしまう。フランクフルト大学へ入学する努力も失敗に終わリ、不倫をしても虚しいばかりだ。いくらあがいても西ドイツの社会にうまく入り込むことが出来ない主人公アニタは、当時の西ドイツ社会が排除しようとしたナチズムの過去の化身として捉えることができる。ドキュメンタリー手法やテキストの挿入など新しいスタイルを取り入れた《昨日からの別れ》は、戦後ドイツ映画の既成概念を打ち破り、ニュー・ジャーマン・シネマの様式を作り上げる礎となった。
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