Dr. Norihiko Tanaka、マテリアルサイエンティスト
「日本とドイツは同じ課題に直面しているからです。グローバル化、多文化の共生、産業面での変化とデジタル化、ワーク・ライフ・バランスと環境保護は、日独両国の若い世代にとって、学ぶことが多い重要なテーマです。」
ドイツ滞在は、ご自身の人生にとってどのような意味を持つものになりましたか?
私はマテリアルサイエンティストとして、ドイツとアジア諸国との間で行われた非常に興味深い国際プロジェクトに関わりました。様々な文化背景を持つ人々を結びつけることが、私の生涯の仕事のひとつだと私は思っています。ドイツで暮らしていた3年の間に、そういう思いを抱くようになりました。
ドイツは科学技術などの分野において世界をリードする存在です。これはもちろん、私が仕事をしている分野に関わる人たちにとっては、非常に魅力的なことです。そしてドイツ社会もまた、将来が突きつける挑戦課題に直面しています。日本の若い人たちは、ドイツでどのような取り組みが行われているかを学び、実際に自分のアイディアを作り出し実践することができると思うのです。こうした機会を利用することはとても大切なことです。なぜなら、日本とドイツは同じ課題に直面しているからです。グローバル化、多文化の共生、産業面での変化とデジタル化、ワーク・ライフ・バランスと環境保護は、日独両国の若い世代にとって、学ぶことが多い重要なテーマです。
ドイツ滞在を通じて、ご自身について新たに学んだことはありましたか?ご自分がどのように成長したと思われますか?
私は生物物理学を学びました。この分野で卓越した業績を残しているのはドイツの科学者です。私の現在の勤務先である会社も、この分野での研究に積極的に取り組んでおり、多くの論文を発表しています。そうしたところから私は専門的に非常に多くのことを学び、この会社で働きたいと思うようになりました。そして今、私は日独両国をつなぐことに関わることもできています。
日本帰国後は、「日独ヤングリーダーズフォーラム」で積極的な活動をされていますね。どのような活動をなさっているのですか?それを通じて日独関係にどのように関わっていらっしゃいますか?
私はこのフォーラムのメンバーです。フォーラム会合では、様々な最新のテーマを取り上げます。例えばデジタル化、グローバル化、そして危機的状況下における指揮と責任の所在などの問題も考えます。メンバーの多くは政府・行政の分野で働いているため、私は経済と科学からの視点を提供することが私の役割だと考えています。これも、一種の異文化間交流ですね。