ハンス=ヴェルナー・クレージンガー(1962年生まれ)はギーセン大学で応用演劇を学び、その傍ら、ロバート・ウィルソンのドラマトゥルクや演出助手を務めた。1993年より、ベルリーナー・アンサンブルやHAU劇場等のドイツの有名な劇場や国際フェスティバルで、自身の演出による公演を行っている。
レギーネ・ドゥーラはベルリン芸術大学で映画を学び、劇映画やドキュメンタリー映画の分野で、ヨーロッパ・フィルムアカデミーやヴィム・ヴェンダース・プロダクション(ベルリン)と共にフリーランスで活動している。フィルムキュレーターや審査員も務める。監督作品には、2012年のドキュメンタリー映画「White Blood/Weißes Blut」がある。
ハンス=ヴェルナー・クレージンガーとレギーネ・ドゥーラは、2000年より共同で数多くの演劇プロジェクトを手がけている。政治的な動機による暴力、とりわけドイツ赤軍(RAF)について、その成り立ち、ドイツ社会に残した爪痕に取り組んでいる。
ヴィラ鴨川滞在中は、日本の赤軍を例に、1960年代の学生運動やテロリズムのネットワークの構造についてリサーチした。収集した資料をもとに、演劇作品が制作される予定である。