トークイベント
ピナを上演し続ける:ピナ・バウシュ財団の取り組み

Pina Bausch Foundation
© Pina Bausch Foundation

ピナ・バウシュ財団創設者・理事 サロモン・バウシュによるトーク

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

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セネガルのエコール・デ・サーブルのダンサーにより再解釈されたピナ・バウシュ「春の祭典」が東京に招聘されるのを記念し、ゲーテ・インスティトゥート東京がピナ・バウシュ財団の創設者・理事のサロモン・バウシュさんによるトークを開催します。

振付家ピナ・バウシュが2009年に他界した直後、息子であるサロモン・バウシュにより、公益財団法人ピナ・バウシュ財団(以下「財団」)が設立されました。これに伴い、ピナ・バウシュがヴッパタール舞踊団とともに作り上げてきた作品は保全され、これからの世代へ継承することが可能になりました。
 財団はピナ・バウシュの芸術的な遺産を生かし続け、将来に引き継いでいくという明確な目標を掲げ、ピナ・バウシュの作品が世界各地で上演し続けられる基盤を作ろうとしています。

この理念に基づき、財団はピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団や国際的なカンパニーなどの希望に応じ、ピナ・バウシュの作品の上演権を付与しています。ヴッパータール舞踊団への所属歴があるダンサーなどと密接に協同しながら、各国の舞台での再演に取り組んでいます。こうして作品のオリジナル・メンバーたちは、自らが演じた役を新しい世代のダンサーに引き継いでいくのです。

財団は、以下のような問いに取り組んでいます。

-ピナ・バウシュの作品とはどのようなものか?
-作品は時間とともに変化していくのか?
-新しいダンサーが役を踊ることで、役そのものはどう変化するのか?
-役にとって最も重要なものは何か?

これらの問いへの答えを模索し、ピナ・バウシュの作品への新しいアプローチを追い求めることに際して、財団が収蔵するピナ・バウシュの作品に関する多くの写真、ビデオ、文書など広範囲におよぶアーカイブ資料も重要な役割を果たしています。アーカイブに関心を持つ人々が国を越えて資料にアクセスできるようにするため、財団はこれらをデジタル化する取り組みを積極的に進めています。

今回のトークでは、財団のこれまでの経験と将来的な挑戦について掘り下げます。司会は現代舞踊研究者の宮下寛司が務めます。
 
共催​:パルコ

登壇者プロフィール

Salomon Bausch © Uwe Schinke

サロモン・バウシュ 
ピナ・バウシュ財団 創設者・理事


1981年生まれ、法学を学ぶ。2009年、非営利財団であるピナ・バウシュ財団(ヴッパタール、以下「財団」)を設立。母であるピナ・バウシュの作品や振付、ロルフ・ボルツィクによる舞台美術や衣装デザインの著作権も含む、豊富な芸術的遺産を収めている。現在、財団には約15人の職員が勤務し、国際的な奨学金の授与や映画や書籍の出版、世界中の大学やダンスアカデミーとの協同、各地のカンパニーへの作品提供などを行う。

アフリカ14カ国から新たに集まったアンサンブルによる「春の祭典」公演ツアーを通じて、財団は新しく自律的な共同制作の在り方を模索し、国際的に広く知られるようになった。これらの活動全体の基盤となるのは、歴史的価値のある一次資料をオンラインで利用可能にする広範なデジタルアーカイブである。ピナ・バウシュの作品が今後も上演され続けるための取り組みを通して、将来の世代ができるだけ多くの方法でピナ・バウシュの作品を体験できるように目指している。
 

宮下寛司(司会)

慶應義塾大学文学部・多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科等非常勤講師。慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得退学。専門は日欧の現代舞踊およびパフォーマンス。現在はドイツ語圏における舞踊学や演劇学の知見をもとに、現代舞踊およびパフォーマンスにおける「主体化」についての博士論文完成に向けて執筆中。
 

詳細

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

107-0052 東京都港区赤坂7-5-56
ドイツ文化会館内
Tel. 03 35843201
東京
Japan

言語: ドイツ語・日本語、逐次通訳付
料金: 入場無料、要予約

03-3584-3201 info-tokyo@goethe.de