リーディング&トーク
【開催中止】空想上の祖国

Caroline Emcke Lesung
© Goethe-Institut Tokyo

カロリン・エムケ × 藤井光

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

【開催中止のお知らせ】9月12日(木)および13日(金)に予定しておりました、カロリン・エムケ氏の来日イベントですが、エムケ氏のお身内にご不幸があり、今回の来日を中止せざるを得なくなったため、予定していた日程での実施ができなくなりました。現在、別日程での開催に向けての検討を行っております。新しい日程が決まり次第、改めてご案内させていただきます。皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

ドイツと日本は、それぞれ本質的に第二次世界大戦の加害国としての責任によって、歴史のナラティブが大きく形成されています。戦後の出来事の検証を通じて、この歴史は両国においてどのようにして集団的な「歴史/物語」へと変容していったのでしょうか。また、どのような場所や語りの規範が「記憶の文化」の象徴として刻まれ、共通認識として固まってきたのでしょうか。自らの経験を通じて当時の出来事を語れる人がますます減少する時代において、また、欧州のみならず各地でヘイトスピーチが再び社会に許容されるようになった時代において、私たちは今日、個人として、主に20世紀に確立されたこれらの記憶のナラティブにどのように向き合っているのでしょうか。そして、文化や芸術の創り手たちは、どのような手段で私たちの過去や20世紀の記憶の文化が残した空白や盲点にアプローチしているのでしょうか。これらのテーマについて、ジャーナリスト・作家及び哲学者のカロリン・エムケとアーティストの藤井光が対談を行います。エムケは著書『憎しみに抗って』と『なぜならそれは言葉にできるから』からの抜粋を朗読し、藤井は自身の作品の取り組みを紹介します。司会は浜崎桂子(ドイツ文学者、立教大学教授)が務めます。



カロリン・エムケ
1967年生まれ。ロンドン、フランクフルト・アム・マイン、ハーバード大学で哲学、政治学、歴史学を学ぶ。1998年から2006年まで週刊誌「デア・シュピーゲル」 (Der Spiegel) の編集を担当し、外国人編集者として多くの危機的な状況にある地域を訪れた。2003年から2004年にはイェール大学で政治理論の客員講師を、2007年から2014年まで週刊誌「ディー・ツァイト」 (Die Zeit) の国際記者を務める。2014年からは南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)週末版のコラムニスト、フリージャーナリストとして活動。また、ベルリン・シャウビューネ劇場で、2004/05年の上演期間以降、ディスカッションシリーズ「Streitraum」のキュレーター兼モデレーターを務めている。
近著に『Stumme Gewalt - Nachdenken über die RAF』(2008年)、『Wie wir begehren』(2012年)、『Weil es sagbar ist. Über Zeugenschaft und Gerechtigkeit』(2013年)、『憎しみに抗って』(2016年)などがある。受賞歴(一部): オットー・ブレンナー賞、批評ジャーナリズム(2010年)、ドイツ記者賞「最優秀ルポルタージュ」部門(2010年)、ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー(2010年)、ドイツ言語詩アカデミー全集ヨハン・ハインリッヒ・メルク賞(2014年)、ザクセン自由州レッシング賞(2015年)、リヒテンベルク詩講座賞、ドイツ書籍協会平和賞(ともに2016年)。

藤井光
芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されるという考え方のもと、世界各地の歴史や出来事を綿密にリサーチし、今日の社会課題に応答する作品を、主に映像インスタレーションとして制作している。その方法論は、各分野の専門家との領域横断的かつ芸術的協働をもたらす交点としての議論の場を作り出すなど、過去と現代を複層的につなぎ歴史や社会の不可視な領域を構造的に批評する試みを行っている。近年では、第10回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(2021)、森美術館開館20周年記念展「ワールド・クラスルーム」(2023)などに参加し、2020年Tokyo Contemporary Art Award 2020–2022を受賞。

浜崎桂子(司会)
立教大学異文化コミュニケーション学部教授。学習院大学および大学院でドイツ文学を専攻、大学院在学中にDAAD奨学生としてミュンスター大学に留学。神戸市外国語大学准教授を経て、2008年より現職。立教大学にて博士(文学)取得。主にドイツ移民文学を対象に、ポストコロニアリズム、ジェンダー研究などを視野に入れた研究を行っている。著書に『ドイツの「移民文学」』(彩流社、2017年)。

詳細

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

107-0052 東京都港区赤坂7-5-56
ドイツ文化会館内
Tel. 03 35843201
東京
Japan

言語: ドイツ語、日本語(同時通訳付)
料金: 無料、要申込

03 3584-3203 info-tokyo@goethe.de