ハネス・マイヤー
建築
ハネス・マイヤー(1981年生れ)は建築家。ウィーン造形美術アカデミーの教授(建築デザイン・建築学)を務めた後、現在は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)建築&デジタルファブリケーション科(MAS ETH DFAB)のプログラムディレクターを務めている。コトブス、アイントホーフェン、ロンドンの大学で建築を学び、数多くの記事を専門誌に掲載しているほか、著書も多数。また、キュレーター、地衣類研究者、音楽家という顔も持つ。2007年からは主に、フランク・ロイド・ライトの空間概念の今日化に取り組んでいる。
マイヤーの作品は、ホームレスについてのドキュメンタリーフィルムから、画像ベースのベクトル場を使ったポストデジタルなデザイン(「地衣類的建築 Lichonic Architecture」)に至るまで、クンストハウス・グラーツやチューリヒ建築フォーラム、また第12回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展(2010年)、マドリッドの建築家協会COAMなど、広くヨーロッパで紹介されている。またマイヤーは2014年にスイス・アート・アワードにノミネートされた。
ハネス・マイヤーはヴィラ鴨川滞在中、デジタルプロセスをベースとして自身がこれまで行ってきた技術的、理論的な仕事と、竹編み細工という日本の伝統を関連付け、作品化しようと考えた。目指したのは空間的構造物で、同時に、マルチメディアによる一連の公開イベントのための映写空間にもなるというものだ。
また、大徳寺黄梅院で開催された展覧会「TEMPLE / MATERIAL」では、日本の家屋における絶対的な境界と(縁側のような)曖昧な空間の社会的・空間的秩序の研究の作品を展示した。