トーマス・ケーナー
音楽
トーマス・ケーナー(1965年生れ)はアーネム(オランダ)で電子音楽を学んだ後、現在はボッフムを拠点に、フリーランスの作曲家、ラジオプロデューサー、メディアアーティストとして活動している。また、テクノデュオPorter Ricksでも活躍。ビデオインスタレーション、パフォーマンス、サウンドアート、フォトグラフィー、ラジオ・アート、ネット・アートなどの幅広い領域で、音と画像の境界を行き来する活動を展開している。
ケーナ-の作品は世界各地の数々の個展、グループ展において紹介され、また、カールスルーエのアート・アンド・メディアセンター(ZKM)や、パリのポンピドゥー・センター、バーゼルのハウス・オブ・エレクトロニック・アーツ(HeK)、サンチアゴ(チリ)のムセオ・ナシオナル・デ・ベラス・アルテス(国立美術館)など、公立美術館・博物館のコレクションにも加えられている。数多くの作品をCDで発表する傍ら、西部ドイツ放送(WDR)のサウンドアート・スタジオや、ラジオ・フランス等の委嘱作品も手掛けている。多数の受賞歴を持ち、最近では2009年のオーバーハウゼン国際短編映画祭におけるMuViアワードを受賞したほか、ナム・ジュン・パイク・アワード2012にもノミネートされた。
ヴィラ鴨川滞在中は、仏教僧の著作物などをリサーチした。仏教の教えが実践されている寺や場所の音響、京都の街の奏でる音や、背景にある雰囲気と向き合った作業をベースにして、日独二カ国語を用いたサウンドアート作品が生まれる予定である。