手の付けようのない問題児、9歳の少女ベニーを青少年課の職員は「システム・クラッシャー」と呼ぶ。里親の家庭、グループホーム、特別支援学校 ―どこに行こうと、ベニーは追い出しをくらう。安らぎを求めて、母親の元に戻りたいと願うだけなのに。しかし、母親のビアンカも、反応の読めない娘に強い不安を抱えている。ベニーの居場所が本当になくなり、解決策も見えないところに、非暴力トレーナーのミヒァがベニーと日常を共にすることになる。彼の力で少女を怒りの渦から解放することはできるのだろうか?
ノラ・フィングシャイト監督の長編デビュー作はその繊細かつ強烈な演出により、2019年のベルリン映画祭で注目を浴び、銀熊賞(アルフレード・バウアー賞)に輝いた。また2020年のドイツ映画賞では8部門でローラ賞を受賞。主演のヘレナ・ツェンゲルは11歳(当時)で女優賞に輝き、ドイツ映画賞において最年少の受賞者となった。
2019年、118分、ドイツ語/日本語字幕付
監督:ノラ・フィングシャイト
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ他