美術家 I 2018年8月1日~9月15日
ヒバ・アル=アンサーリー
1983年リビア生まれ。現在はミュンヘンとベルリンを拠点としている。2005年から2008年、シリア・ダマスカスにあるアダーム・イスマイルとワリード・エザット美術学校で絵画と彫刻を学び、2007年から2012年、ダマスカス美術アカデミーで油絵を専攻。
2014年よりミュンヘン美術院に進学、2017年、グレゴール・シュナイダーのもとで修士号を取得。2015年、ミュンヘンで個展「Despots of presence」を開催。2017年ベイルートのアシュカル・アルワン・レバノン現代芸術協会で「Math Book」など、広く作品を発表し続けている。また2015年のべネツィア・ビエンナーレで、グループ展「Syria off frame」など、中東やヨーロッパ各地でグループ展に参加。
破壊と建設 =「普通のかたち」。シリアの人々にとって瓦礫の山は見慣れた風景となってしまった。爆弾が、私たちの家やアパートを奇妙な図形の残骸に変えてしまうのを毎日目にしている。時には空気や地面の中へ撒き散らかされていく灰が残るだけ
ヒバ・アル=アンサーリー
鉄のベッド、クリスタル、顎の型をとったセラミックペースト。セラミックペーストを噛んで歯形を取り、それを燃やした。2千以上のセラミックが私の歯形を刻印している。セラミックペーストを千回噛むことを繰り返した。この反復運動は生と死の関係を模倣したもの。ベッドは私の兄が死んだときのショックを具現化したもの。高さのあるベッドは肩に担がれた棺のように見える。無意識のうちに私は自分の歯形をつけたセラミックの欠片の屍骸を作り出しているのかもしれない。小さな車輪に乗ったベッドは死に似ている。記憶にしっかりと残っていない何か、位置を変えるたびに私をぞっとさせる何か、通り過ぎるたびに私の命を形作る何かを
ヒバ・アル=アンサーリー
このプロジェクトで、ISという過激派支配者に怯え苦しむシリアとイラクの状況を取り上げた。オレンジ色は、ISのビデオに映し出される捕虜の衣服に由来している
ヒバ・アル=アンサーリー
煉獄の子宮から子どもを生んだ。その手足は死者たちの夢から盗んだ。シリア・カファルヌベル(開放された地区)の爆撃された家で行ったインスタレーション。素材:アーティストの頭髪、白い布、羊の足
ヒバ・アル=アンサーリー
シリアの新種覆面怪物:ISIS(イラクとレバントのイスラム国)と一部クー・クラックス・クランの類似についての写真プロジェクト。素材:針、コンドーム、人形用腕、鶏の皮、布、ダンボール
ヒバ・アル=アンサーリー