演劇リーディング ゴスポディンとよばれて
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ
2010年に東京ドイツ文化センターで始まった新しい演劇プロジェクト「VISIONEN」を、今春から関西でも始動します。ドイツの演劇シーンに強い関心を持つ関西の若手演出家や劇団の参加を得て、同時代を生きるドイツ語圏の劇作家たちの戯曲をリアルタイムで発信することを目的に、当センターの教室を含む、関西の各会場にて定期的なリーディング公演を行っていきます。
シリーズの第1回はフィリップ・レーレの『ゴスポディンとよばれて』(2007年、訳:寺尾格)を紹介します。
歩行者天国でラマを連れ歩いては生活の糧を稼ぐゴスポディン。友人たちは物乞いだと揶揄するが、本人は資本主義から開放された自由な生活を謳歌していると意に介さない。ところがある日、そのラマが環境保護団体グリーンピースに保護(略奪)され、残ったのはラマの寝床の藁の山だけ。悲劇の始まりかと思いきや、ここでコメディーの幕が開く。
作: フィリップ・レーレ
翻訳:寺尾格
演出:田中孝弥(清流劇場)
フィリップ・レーレ
1978年ドイツ南西部の町ラーヴェンスブルク生まれ。エアランゲンとローマの大学で歴史、演劇・メディア学、ドイツ文学を専攻。学生時代の2005年にエアランゲン劇場で初めての作品“KAUF-LAND“が上演される。2006年からバーデン・バーデン劇場で演出助手を務めながら、2007年に“Genannt Gospodin“を執筆、同作はドイツ工業連盟の奨励賞を受賞。
演出家・田中孝弥
1972年生まれ。劇作家・演出家・清流劇場代表。2004年9月より一年間、文化庁新進芸術家在外派遣研修員として渡独。ベルリン・グリプス劇場(GRIPS Theater)にて、青少年演劇を研修。2007年5月、ドイツ文化センター奨学生として、ベルリン演劇祭/国際フォーラム・ワークショップ(theatertreffen’07)に参加。現在、大阪教育大学非常勤講師等を担当。また劇団では社会寓意劇の作風で、日韓共同創作に取り組むなど積極的な国際演劇交流活動を行っている。日本演出者協会所属。
公演日程:
5月17日(木)19:30
公演終了後に翻訳者寺尾格氏によるアフタートーク(30分程度)があります。
5月18日(金)19:30
*開場は開演の30分前です。全席自由。